理学療法士の山神です 😛
8月は台風が沢山生まれて日本にも影響がありましたね。
愛媛では今のところ台風では大きな被害は無かったようですが
7月の豪雨で被害を受けた地域の方は特に心配だったと思います。
できれば台風はもうやめにしてほしいなぁと思いますがどうなるでしょう?
前回は痛みがどのように生じるかを簡単に説明しました。
そして痛いと認識するのが脳であることがポイントだと書きましたが
どういうことでしょうか?
『痛み』というのは警報装置みたいなものです。
最近は大体の家庭についている煙感知式の火災報知機を思い浮かべてもらうと良いと思いますが、
火災報知機は火災になりそうな煙を感知して大きな音で知らせるので
小さな煙では反応しません。
煙ならなんでもかんでも反応して警告音を出されたら
そこで生活している人は困ってしまいます。
『痛み』も当初(いわゆる『急性痛』の段階)はそれと同じで、
原因となる刺激が強ければ確実に『痛み』として感じて脳に知らせますが
弱ければ「警告するほど危険なものではない」ので痛みとして感じません。
しかし痛みが火災報知機と違うのは、1度痛みが生じることで
さらに痛みを増幅させようとするシステムと
生じた痛みを抑えようとするシステムが
刺激を受けた部位から脳の間の色々なところで動き始めます。
これは本来は傷害された組織を修復しようとする作用だったり
必要以上の痛みを感じないようにする作用なので
人体にとって必要なものです。
しかし、その後痛みが治まってしまえば良いのですが
痛みが持続していくと(いわゆる『慢性痛』の段階)
痛みを増幅させるシステムが持続+痛みを抑えるシステムが抑制され
通常痛みとしては感じないレベルの刺激でも
『痛み』として認識してしまう現象が起きます。
火災報知機で言えばお湯を沸かした時の湯気くらいでも反応して
ジリジリ鳴り出してしまうようなものですね。
その状態が進んでしまうと元々痛かった部位の損傷は治っているのに
痛みだけが持続してしまい、
診断のつけようがなくていわゆる「原因不明の痛み」と言われてしまうこともあります。
これは人間の身体の中で勝手に起こってしまうことです。
なので特に急性期の痛みに関しては
「痛みを抑える」
ということが最優先課題になります。
急性期の痛みに対して整形外科で注射や痛み止めを処方すると
「これは対症的な治療で根本的な治療にはならないでしょ?」
と言う人がいますが、
今ある痛みを抑えることで痛みを減らすもしくはなくす
(急性痛から慢性痛に移行することを防ぐ)ことができるかもしれないので
とても意味のあることなんです。
しかしさらに厄介なのは、
今感じている『痛み』について
人間がどのように感じるのか、そしてどのように行動するのか
ということも『痛み』の強さや性質を変える可能性があるということなんです。
脳の働き方が『痛み』を変えてしまうということですね。
これが前回言った痛みを認識するのが脳であることがポイントということです。
ではどうしたら『痛み』が変化してしまうのか
ということはまた次回にしたいと思います。
最後まで読んで下さりありがとうございました!!