理学療法士の山神です 😛
前回のブログ(2017年2月愛媛マラソンへの道 ~さっそく腸脛靭帯炎??~)で
ランニングをしていて左の太ももが痛くなったということを書きました。
痛みが出たのは解剖学的に言うと腸脛靭帯の周囲でしたが
いわゆる「ランナーズニー」という腸脛靭帯炎の兆候とは違い、
腸脛靭帯炎になりやすい要因もあまり当てはまらなかったというお話をしました。
そして、元々気になっていたけど後回しにしていた自分の身体の問題があると…。
それは腹筋と右足の筋力低下です。
私は10年程前ひどい腰痛に悩まされていたことは
以前のブログ(腰痛のこと vol.3 腰痛には腹筋?)でもお話しました。
そこでは触れませんでしたが、腰痛と共に右足に少し力が入りにくいことに気づいていました。
大きな支障があったわけではありませんが、
歩くときに少し膝の踏ん張りが利かないというかそんな感じです。
だいぶ経ってから整形外科でレントゲンを撮ってもらうと
「腰椎分離すべり症」
という診断を受けました。(ちなみにいつなったのかはわかりません)
腰椎分離すべり症というのは背骨(腰椎)の後ろに飛び出た部分(棘突起)が
背骨本体(椎体)から分離して、さらに椎体が上の骨に対して前に滑ってしまった状態です。
言ってみれば背骨が“ずれた”状態なので何らかの神経症状が出ることが多いです。
ちなみに私の腰椎を順に触っていくと、ある1つの椎骨の部分だけへこんでいます。
これは前に滑ってしまっている証拠ですね。
分離症の要因としては同じ部位に繰り返し負荷がかかったことで
腰椎の後ろの突起が離れてしまう(疲労骨折)ということなんですが、
それに加えて腰椎を支えている靭帯が負荷を支えきれなくなると前のほうに椎体が滑ってしまいます。
このとき“コアマッスル”とも呼ばれる多裂筋、腹横筋、骨盤底筋、横隔膜等が適切に働いて
腹圧を高めることができれば腰椎の安定性を強化できていたと思いますが、
いわゆる腹筋運動が中高生時代から弱かった私は
おそらくこれらの筋もうまく働かずに分離すべり症が「完成」してしまったのだと思います。
このようにしてずれた骨が右足に続く神経に触れており筋力低下が起こっていると思われます。
この腹筋と右足の筋力低下が走る際にどのような問題になるか
ここでまた断っておきますが私はランニングの専門家ではないので
フォームやランニング理論といったことではなく、あくまでも身体の使い方の話をしたいと思います。
「走る」「歩く」という動作を考えてみると
これらの動作は手足を動かしながら転倒しないように重心をコントロールして
身体全体を前方に進めていく運動です。
上下前後左右に揺れる重心をコントロールするためには色々な身体の機能が統合されていくわけですが
どこにも問題が無ければ身体全体でコントロールするので
転倒する前に(大きくバランスが崩れる前に)元に戻ることができます。
ただし、どこかに機能異常があると負担が一部にかかりすぎてしまったり、
そもそもの戻るべき「真ん中」の位置が偏ってしまいます。
そうなると皆さんも覚えがあるかもしれませんが
自分ではまっすぐ歩いているつもりでも靴底の減り方が左右でだいぶ違っていたり、
証明写真を撮るときに気づいたら首が曲がっていたりということになります。
ただしこれらは『左右差がある』というだけでは問題にはなりません。
多かれ少なかれ皆さん左右差はあります。
(そもそもお腹の中の臓器だって左右対称ではありません)
これが明らかな問題が生じた場合(痛みや日常生活に支障が出るほどの筋力差など)は
左右差を解消する方向へ持っていかないと問題の解決にならない場合があります。
私の場合は前回フルマラソンを走るために練習をしていたら右足が痛くなったことがありました。
それ以前にも右膝が痛くなったこともありました。
これらは明らかに問題です。
走るときには、右足(下肢)の筋力低下があるため右で立っているときの安定感が左より低く、
重心は必然的に右に流れて行こうとします。
それを修正しようと身体の各部分でバランスを取るのですが
私の場合は以前に右下肢が痛くなった経験があったので
重心が右に流れて右下肢に過剰な負担がかからないように意識的に左に重心を偏らせていたために
左下肢への負担が増えすぎて今回のような痛みが出たと思われます。
今までにもまったく何も対処してこなかったわけではありません。
ランニング本なども読んで、走るときにどんな意識をしたら良いのか色々試しました。
右に流れないように右足の親指が浮かないように意識して足を痛めました。
腹筋が大切というので腹部を意識していたら苦しくてうまく走れませんでした。
頭が空に引っ張られるイメージでというのを意識したら首が痛くなりました…。
本に書いてあったことだったのでちゃんと効果的なやり方があったとは思うのですが
うまくいきませんでした。
そこで気づいたのは走りながら修正しようというのは難しいということです。
結局私の場合、鍛えなければいけない部位の補強運動は
あまり面白くないけれど走りながらではなく
止まってしなくてはいけないということにたどり着きました。
(走りながらでもできる人もいると思いますが…)
じゃあどんな運動するのかということは長くなってしまったのでまた次回にしたいと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました!!