理学療法士の山神です 😛
愛媛マラソンが終わり一息ついていますが
もっと走れるようになりたいという欲が出てきています。
ただ、30km過ぎからコントロールできなくなった
腸脛靭帯周囲の痛みをなんとかしないといけないので
そのことをもう一度考えてみようと思います。
最初にお断りしておきますが、
今回の内容はいわゆる腸脛靭帯炎の治療についてではありません。
痛みが強く何度も同じ箇所の痛みを繰り返すような場合は
医療機関を受診してください。
骨や靭帯など構造上の問題がある場合は筋トレとかストレッチとか
そういうことでは解決できませんので。
それに炎症が強い時期は何をしても痛みは戻ってくる可能性が高いので
運動療法よりも投薬や注射等の方が優先されます。
(というか当然運動自体を一定期間休む必要がある場合もあります)
自己判断せずに受診することをオススメします。
今回は痛みが出てからある程度の期間が経っていて(急性期ではない状態になっていて)
構造上の問題よりも機能的な問題があるケースについて考えます。
(症例は理学療法士のYさん39歳 いて座 O型です)
私がマラソン当日に感じた痛みはゴールの後は平地を歩くのも辛かったですが、
約2週間経った今では普通に生活する分には問題ないくらいまで回復していて、
平地を走る分には気になりません。
しかし坂道になると痛みがまたぶり返すことがあります。
この痛みを考えるにあたって
『ランナーズニー』と呼ばれる腸脛靭帯炎については
以前に紹介しましたので(2017年2月愛媛マラソンへの道 ~さっそく腸脛靭帯炎??~)
詳細は割愛しますが
また、見方を少し変えて考えてみたいと思います。
腸脛靭帯というのは筋肉のように自分で意識して収縮させることができる「能動的組織」ではなく
自分では伸び縮みさせられない「他動的組織」です。
(他の『靭帯』と名前のつくものは基本的に同じです)
靭帯は基本的には関節を跨ぐような形で骨と骨についていて
ある方向に過剰に動いてしまわないように止めています。
逆に言うと靭帯が伸ばされるような方向に関節が動かない限りは靭帯に負担はかかりません。
では、腸脛靭帯が伸ばされるような方向(負担がかかる姿勢)というのは
どのような姿勢でしょうか?
腸脛靭帯は骨盤から始まる大腿筋膜張筋や大殿筋から続いた形で始まり
大腿の外側を下りていって膝関節のやや下まで伸びています。
ここが一番伸ばされる肢位というのは股関節の内転位だとされています。
(『内転位』というのは骨盤に対して下肢が内側にある状態です)
ただ、自分で内転しただけでは緊張せず
何かしらの外からの負荷(体重をかけた状態や人に内転された状態など)で
より緊張するとされています。
ということは私のランニングフォームの中で左股関節内転が右と比較して過剰になっていることが予測されます。
さっそくランニングフォームをビデオで撮って見てみました。
動画は載せていませんが、目視する限り左立脚期(左足が着地している状態)に
極端に左股関節が内転方向に動いている様子は見受けられません。
・・・が常に右肩が下がっています。
立位姿勢を改めてみてみるとちょっと写真ではわかりにくいかもしれませんが
肩のラインも骨盤のラインもどちらもやや右下がりになっています。
座位姿勢も同じです。 ↓
片足立ちを見てみると(写真はありません)
骨盤を水平に保とうとすると左では安定しているのが、右ではバランスが崩れてしまいます。
そして下肢の筋力的には全体的に左より右の方が弱い状態です。
これらを統合して一つの仮説を立ててみると
普通に立っている状態から骨盤が右下がり(左上がり)の状態ということは
常に左股関節は相対的に内転位になっているということです。
(左のお尻を横に突き出したような格好ですね)
そして走っているときにもそれが修正できないので常に腸脛靭帯に負荷がかかり続け
痛みを生じてしまうことが一つ考えられます。
「左が痛いんだったら左のどこかが悪いんじゃないの?」
という疑問は当然出てくると思いますが、
上に書いたような状態から考えると
右下肢や腹筋などの筋力低下によって骨盤が右下がりになっていて、
右足で立つ時に骨盤を水平にできないので常に左腸脛靭帯に負担がかかってしまうという
言ってみれば「右足の弱さをかばって左足が痛くなる」という状態かなと。
今回は問題を単純にするために前額面(顔の正面から見た状態)のことしかほぼ考えていないので
これだけですっきり問題なしということにはたぶんならないと思いますが
とりあえずは骨盤の右下がりの修正を優先してやってみようかと。
何をするかについては追々書きたいと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました!!