理学療法士の山神です 😛
きのうは久しぶりに相撲が盛り上がりました。
横綱になった稀勢の里がケガをおしながら優勝決定戦を勝ったことで
「ここ10年くらいこんなに盛り上がったことはない」
というくらい盛り上がりました。
ただ、私はこういう仕事をしているので純粋に
「いや~稀勢の里良かったね」
と言えない気持ちなんです。
稀勢の里は13日目の取り組み後に怪我をして
出場もできるかどうかというところで翌日強行出場をしました。
スポーツなので多少の無理をすることは当然といえるのかもしれませんが
それに対する周囲の反応が気になります。
14日目に強行出場してあっさり負けてしまった稀勢の里について
相撲協会の八角理事長は怪我をしていても出場した心意気に対して
「気持ちがいい」
とコメントしました。
メディアでもその決断を称えるような記事が多いようですし
患者さんの中にも年配の人で
「日本人はやっぱりああいう風にあるべきだ。白鵬はちょっとのケガですぐに休むのがいかん」
という人がいました。
どのようなケガなのかははっきり診断名までは出ていないようですが、
左上腕にはっきりと内出血が見られるので少し打ったくらいではないようです。
日本では昔からケガをおしてスポーツをするということが美談になる風土があります。
ケガをしてても出場するということに関しては
その個人が完全に自分で決めたことであれば批判されることではないと思いますが
(実際本人は横綱の責任や色々なものを背負っているので出場を決めたと思いますが)、
ケガをした翌日にまともに相撲を取れないくらいの状態だったということを考えると
客観的に出場を止められる役割の人がいなかったということかなと。
「優勝したから結果オーライ」という雰囲気がありますが
怖いのは他の人にもそれを強制するような空気を作ってしまうことです。
実際八角理事長がケガをおして出場してあっさり負けることを
「気持ちいい」と言っているということは
少なくとも相撲界には
「ちょっとケガしたから休むなんてけしからん」
というような空気が蔓延しているのかなあと。
これはプロスポーツに限った話ではなくて、
仕事でも部活でも誰か熱をおしてでも出てくる人がいると
次に熱を出した人は休みにくくなるということありませんか?
とりあえず無理をしてでも行ってみて
「もう今日はいいから帰りなさい」
と言われないと休めない感じ。
せめて相撲界の現在のトップである理事長には14日目の取り組みを見た時点で
「まともに相撲を取れないなら休場するべき」
と言って欲しかったなあと思ってしまいます。
稀勢の里関のケガがなるべく軽傷であることを願いながら
もう少し1人1人の力士を大切にする「空気」作りをして欲しいなあと思いました。