理学療法士の山神です 😛
さて、また前回からだいぶ間が開いてしまいましたが
腰痛のことについての第3弾です。
今回は『腰痛には腹筋?』と題して書いてみたいと思います。
「腰痛は腹筋を鍛えれば治る」ということを一度は聞いたことがあるかもしれません。
NHKの『あさイチ』でもドローイン(お腹を凹ます方法)なんかを
紹介していたこともありました。
ではそれらが腰痛に対して本当に効果的なのでしょうか?
私自身の体験談を含めてお送りしたいと思います。
私はよくわからずに「腰痛は腹筋を鍛えれば治る」を試したことがあります。
私は10年前くらいにひどい腰痛持ちでした。
(レントゲン上は『腰椎分離すべり症』という診断名がついています)
生まれたばかりの娘を見て
「果たしてこの娘を抱っこし続けられるだろうか・・・」
と不安になったくらいです。
そして、「よし腹筋を鍛えよう!!」と思い立ち、やってみました。
こんな腹筋 ⇓
そして余計に腰が痛くなりました・・・。
私の場合これを続けても絶対に良くならないってことに気づきました。
っていうかその時には理学療法士になってたんだからやる前に気づきなさいという話ですけど・・・。
そうなってしまった原因を説明するには腹筋の役割を説明する必要があると思います。
前回のブログ(『腰痛のこと vol.2 腰に負担がかかりやすいわけ』)で
腰痛の一つの原因は
腰の上下の部分(胸椎・股関節等)が硬くなったことで
腰椎が動きすぎてしまって腰に負担がかかりすぎてしまうことを書きました。
腹筋はその動きすぎる腰椎をコントロールする要素の一つです。
腹筋と言っても一つの筋肉ではありません。
一番表にあってシックスパックを作る腹直筋、
腹直筋の脇にあって斜めに走る腹斜筋
(ちなみに腹斜筋も外腹斜筋と内腹斜筋の2つがあります)
それにウエストを腹巻のようにぐるりと巻いている腹横筋と
大きく分けて4種類の腹筋が3層構造になって『腹筋』を作っています。
当然それらの筋肉の役割も違ってきます。
動きすぎる腰椎をコントロールするなら背骨に近いところに筋肉があった方が
効率よくコントロールできるということはイメージできるでしょうか?
しかし、腹筋というのは「お腹の筋」というくらいなので
背骨に直接ついている筋はひとつもありません。
特にさきほど私がやっていた腹筋運動というのは
主に一番背骨から遠い腹直筋を鍛える運動で、
寝た状態から身体を起こす場合や身体が大きく反ることに対して抵抗するのに適していますが、
日常生活の中で微妙な脊柱の動きをコントロールするのには不向きです。
おそらく私の腰痛はそれで良くならなかったし
さらに運動方向も私の腰痛向きではなかった(またいつかお話したいと思います)のだと思います。
そこで勉強していくと、もっと背骨に近い位置にあって
お腹の中の圧力(『腹圧』といいます)を高める腹横筋を鍛える方が
コントロールには必要だということが言われていました。
(その能力を高めようというのが『あさイチ』でやっていたドローインです)
10年前の私は「なるほど!」と思いました。
そしてやってみましたよ。お腹凹ませ運動。
結果は・・・また余計に痛くなりました。最初は良かったんですけどね。
どういうことかはちょっと長くなりそうなのでまた次回にさせてもらいたいと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました!!